genshi.ro 冷たいことにはわけがある

811月/170

Dr.Bonoの生命科学データ解析

Posted by genshiro

オミックスデータの解析を主軸とした共同研究がいくつか走り出したので、生命科学のビッグデータに真正面から向き合う必要が生じました。たまたま1ヶ月前くらいに坊農さんの新しい本が上梓されていて、その内容が今の自分にぴったりすぎて、嬉しくてこの記事を書いてます。読んでよかった。

自分はRなどを使って時系列データの解析をおこなうくらいのプログラムは書ける人間です。でも遺伝子発現・蛋白などのビッグデータの解析は全くの素人。もちろんトランスクリプション、NGS、データベースといった言葉は知っていたけれども、エンリッチメント解析、Biomart、VCFなんてのはこの本で知りました。本書は1章「生命科学データ解析の歴史」、2章「生命科学分野のの公共データベース」、3章「データの形式とその取り扱い方」、4章「基本データ解析」、5章「実用データ解析」という構成になっていて、生命科学データの基本的な予備知識と手法について触れられてます。どの章も面白かったけど、個人的には5章がドンピシャでした。いろんなことがわかった気持ちになりました。全体を通して内容は初心者にはとてもわかり易く、特に本文の脇に無数に散りばめられている注釈が素晴らしい。FASTAは欧米ではファスト・エーと呼ばれるそうです。

来年やってくる大学院生の必読書が増えました。3,240円はお買い得だと思う。坊農さんありがとう。

13月/170

A list of review articles about hibernation, daily torpor and hypometabolism / 冬眠・休眠・能動的低代謝のレビュー論文リスト /

Posted by genshiro

冬眠・休眠・能動的低代謝に興味のある方にオススメしたいレビュー論文をまとめました。最後の動画は本文とは関係ありませんが、うちのラボで撮影したマウスです。休眠と睡眠の違いを端的に表していると思うのでアップしました。ではでは〜。

Carey, H. V, Andrews, M.T., Martin, S.L., 2003. Mammalian hibernation: cellular and molecular responses to depressed metabolism and low temperature. Physiol. Rev. 83, 1153–81. doi:10.1152/physrev.00008.2003

Geiser, F., 2004. Metabolic rate and body temperature reduction during hibernation and daily torpor. Annu. Rev. Physiol. 66, 239–74. doi:10.1146/annurev.physiol.66.032102.115105

Heldmaier, G., Ortmann, S., Elvert, R., 2004. Natural hypometabolism during hibernation and daily torpor in mammals. Respir. Physiol. Neurobiol. 141, 317–329. doi:10.1016/j.resp.2004.03.014

Andrews, M.T., 2007. Advances in molecular biology of hibernation in mammals. BioEssays 29, 431–440. doi:10.1002/bies.20560

Ruf, T., Arnold, W., 2008. Effects of polyunsaturated fatty acids on hibernation and torpor: a review and hypothesis. Am. J. Physiol. Regul. Integr. Comp. Physiol. 294, R1044-52. doi:10.1152/ajpregu.00688.2007

Melvin, R.G.R.R.G., Andrews, M.T.M., 2009. Torpor induction in mammals: recent discoveries fueling new ideas. Trends Endocrinol. Metab. 20, 490–498. doi:10.1016/j.tem.2009.09.005

Bouma, H.R., Verhaag, E.M., Otis, J.P., Heldmaier, G., Swoap, S.J., Strijkstra, A.M., Henning, R.H., Carey, H. V., 2012. Induction of torpor: Mimicking natural metabolic suppression for biomedical applications. J. Cell. Physiol. 227, 1–17. doi:10.1002/jcp.22850

Dirkes, M.C., Gulik, T.M. Van, Heger, M., 2015. The physiology of artificial hibernation. J. Clin. Transl. Res. 2, 78–93.

 A torpid mouse

 

A sleeping mouse

1511月/160

休眠論文がでました。

Posted by genshiro

自分にとって冬眠関連の論文として1報目となる論文が発表されました。
Sunagawa, G.A., Takahashi M, 2016.
Hypometabolism during Daily Torpor in Mice is Dominated by Reduction in the Sensitivity of the Thermoregulatory System.
Sci. Rep., 2016, doi: 10.1038/srep37011
論文のリンク
理研のプレスリリース

今回の論文の生物学的な発見やそのために行った開発については日本語プレスリリースや論文を見ていただくといいかと思います。ここでは、そこに書ききれなかった、僕自身がどんな思いで研究をすすめたか2点ほど書き留めておこうと思います。

1. オスの休眠パターンがおもしろい

今までの多くの休眠論文はマウスのメスを実験対象としてきました。メスのほうが安定した低代謝を示すからです。一方で睡眠研究を行っていた自分はメスには性周期があり、3〜4日に1回の頻度で過活動(睡眠時間が減る)が生じることを知っていたたので、個体間のバラツキを減らしたいと考えて、迷わずにオスを用いました。その結果、1個体内では時間的にとても短い期間しか休眠は検出できなかったのですが、個体間のバラツキはメスよりも減ったのではないかと思います(→メスは現在測定中)。いずれ場所を変えて性差についての議論もしたいのですが、それよりも僕の興味をひきつけたのは、オスの体温パターンの変動です。図の最上段は近交系Aのメスの休眠パターンです。絶食の後半にずどんと体温が20度台に落ちている部分が休眠です。一方で同じ近交系Aのオスの休眠は様相が全く違います(2段目)。波打ちながら体温が落ちています。発振しているように見えます。さらに、他の近交系BやCでもオスは同様のパターンが見られます。なんとかして、この振動の意味を突き止められないか、と思っております。これは興味だけではなく、この振動の応じて生体内の代謝制御機構の「何か」が振動している可能性があり、能動的低代謝の制御のために有用な情報だと思われるからです。どんな数理モデルを用いればよいのか、アドバイス募集中です。

Torporの雌雄差について

休眠の性差について

2. 解析をベイス統計モデルで行った

2015年4月に高橋研に入ラボしてから本格的にベイス統計モデルの勉強をはじめました。時系列では、いまリバイス中の別の論文で視覚機能の評価のために階層モデルを用いて、stanを使ったMCMCサンプリングでパラメータ推定を行ったのが最初なんですが、この休眠論文はそれに続いてベイズ統計モデルを用いた論文です。具体的にはFig 3で用いている休眠の判定で、代謝のベースラインの推定に2次トレンドモデル(2階差分のトレンド項を有する状態空間モデル)を用いています。また、哺乳類の体温制御モデルのパラメーター推定に、こちらは単回帰問題ではありますが、stanを用いたMCMCサンプリングを用いています。このモデリングおよび解析を行うために、そして英語の表記法なども含めて次の書籍を大いに参考にしました。わかりやすくユーモアに富んだ作品で、最後まで飽きずに読み通せました。本当に感謝です。また、McElreath氏の講義の動画もあります:  http://xcelab.net/rm/statistical-rethinking/

Richard McElreath (著)
Statistical Rethinking: A Bayesian Course with Examples in R and Stan
(Chapman & Hall/CRC Texts in Statistical Science) (英語) ハードカバー – 2016/2/19

86月/160

ベイス統計の「青本」になるかな

Posted by genshiro

豊田秀樹先生の『はじめての統計データ分析 ベイス的<ポストp値時代>の統計学』が届いたので、パラパラ読みをしました。

久保先生の緑本に対して、勝手に「青本」と呼ばせていだきます。

McElreathの『Statistical Rethinking』を読み進めてますが、英語ということもあり、なかなかあっさり一気読みは難しく、いま7合目くらいです。そうこうしてるうちに、ベイス統計入門の日本語の良書が登場したので紹介いたします。この青本もRからStanを使って、MCMCサンプリングでベイズ的アプローチを勉強しましょう、という内容のようですが、完全に日本語ですし、統計学の前知識一切不要を謳っているとおり、入門書としてわかりやすそうです。ただし、RやStanの文法などはほとんど記載がないとのことです。まずは前書きのQ&Aを読むべしという指示通りに、巻末にあるQ&Aを読んでみましたが、Q1「有意性検定をなぜ使わないのですか?」やQ2「有意か否かだけで話が済んだほうが楽です」の答えは、そのまま印刷して廊下に貼っておきたい気分になりました。

まだ、全部は読んでいないですが、次の休みに一気読みします。

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235月/160

Rにインストールしてるパッケージ

Posted by genshiro

Rを3.3にあげたらパッケージを全部入れ直しになったので備忘録的にコードをかいておく。

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225月/160

IFTTTでスマホ壁紙を最新ひまわり雲画像に常時アップデート

Posted by genshiro

気象衛星ひまわりの画像やNASAのISSライブ動画をみるのがわりと好きなんですが、 ライブで地球を外から眺められるってすごいなぁ、、、って胸が熱くなります。そんな感動を手元のスマホにもお手軽に導入できないかと思って、いろいろやってみたのですが、最終的に落ち着いた方法をご紹介します。

結論から申し上げると、高知大学気象情報頁のひまわり画像を用いて、IFTTTを使って定期的にスマホの壁紙をアップデート、という感じです。

高知大学気象情報頁には最新ひまわり画像が固定URLで公開されています。たとえば次の画像は http://weather.is.kochi-u.ac.jp/HF/00Latest.jpg というアドレス先にある画像ですが、1時間毎のひまわり雲画像がアップされています。

なので、IFTTTを使って、この画像を定期的にスマホの画像に指定してあげるとOK。IFTTTに関しては 【初心者のイフト入門】IFTTTの使い方とレシピの作り方を徹底解説!WEB作業を効率化しよう!! | KOTOBAKO - コトバコがとてもわかり易いです。

実際に自分がつかっているIFTTTレシピを公開したのでリンクを貼っておきます:https://ifttt.com/recipes/421550-wallpaper-with-the-infrared-image-from-himawari-8-1

こんなふうになります。かっこいいですよ(・∀・)。

himawari_on_wall

himawari_on_wall

ではでは!!

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812月/150

新たな冬眠霊長類がみつかる

Posted by genshiro

2015年12月3日に発表された次の論文を紹介します。

Scientific Reports 5, Article number: 17392 (2015)
doi:10.1038/srep17392
Hibernation in the pygmy slow loris (Nycticebus pygmaeus): multiday torpor in primates is not restricted to Madagascar
Thomas Ruf, Ulrike Streicher, Gabrielle L. Stalder, Tilo Nadler & Chris Walzer.

要点は

  • マダガスカル島以外の地域で冬眠するサルが見つかった。
  • 北ベトナムに生息するピグミー・スロー・ロリスといわれる霊長類。
  • 冬期に最長で63時間の低代謝状態を維持していることが確認された。
Pygmy slow loris

ピグミースローロリス (Pygmy slow loris)

冬眠(hibernation)とは恒温動物が何日間も能動的に代謝を下げることをいいます。結果的に体温が外気温よりも数度しか変わらない低体温状態になります。2004年にDausmannらによって世界で初めて冬眠する霊長類がみつかりました (Dausmann, Nature, 2004)。僕はこの論文に出会って、冬眠の臨床応用を目指すことにしたわけですが、今回、Rufらによってマダガスカル島のキツネザル以外の霊長類で初めて冬眠する存在が報告されたのです。

Rufらは北ベトナムに生息するピグミー・スロー・ロリスという300g前後の小型の霊長類を実験に用いました。6匹のロリスに体温モニターを装着し、外気とつながっている3 m*1.5 m*2 mのかごで約2年間モニターしました。すると、冬期に入ると図にあるように数日間にわたって体温が著しく低下する低代謝状態の出現が認められました。冬眠です。おもしろいのは、このかごの中には食料と水は一年中用意してあったことです。食べ物があっても、彼らは冬眠することを選んだわけです。

体温と外気温の推移

黒線が体温、青線が外気温をあらわす。数日間にわたって外気温よりも数度だけ高い状態をきたしているとがわかる。http://www.nature.com/articles/srep17392 より。

冬眠というと冬の間、眠りっぱなしの印象があるかもしれませんが、リスやヤマネなどの古典的な冬眠動物(と論文で表現されていますが)も冬眠期間中は約2週間に1回は復温(=37度前後に体温が上がること)することが知られています。今回のロリスたちは古典的な冬眠動物と比べると低代謝状態の期間が数日間とやや短いですが、低代謝状態と37度状態を交互に繰り返すという点において類似しているといえます。

今回の発見によって、マダガスカル島の固有な環境にあるサルだけが冬眠を行うのではなく、小型の霊長類ではより多くの種で冬眠が行われている可能性がでてきました。ヒトの冬眠まではまだまだ道のりがありますが、悪いニュースではありませんね。

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228月/150

久保拓弥さんの緑本

Posted by genshiro

4月にラボをうつってから読み始めた久保拓弥さんの「データ解析のための統計モデリング入門」。とても読みやすくGLMMを勉強するための本として自分にとてもマッチしていました。もう何度も何度も読んでるけど、読むたびに、なるほど!!と勉強した気分にしてくれる(?)良書です。今回は8章以降の階層ベイスを集中的に読みましたが、早速いまおこなっている解析に応用してみようと思います。

こんな入門書を世に残すことができることは素晴らしいことです。いつか講義を受けてみたいものだ。

 

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317月/150

培養プレートの写真など

Posted by genshiro

申請書を作るときに自分用に自分でとった96穴ウェルと6cmディッシュの写真。
ご自由にお使いください〜。



6cm_dish 96well

 

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301月/140

knitrをつかって教材作った

Posted by genshiro

FASTER論文のセミナーを依頼されたのでknitrで講義資料を作ってみた → faster.tutorial.pdf

また、オリジナルのRnwファイルもアップしておきます → faster.Rnw

ということで、明日、生まれて初めて金沢に行ってきます! さむいんだろうなぁ。。。

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